鉄分の種類

鉄分と一口に言っても、種類があります。
鉄分サプリメントの成分表を見ると分かりますが、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」のどちらかがサプリメントに使われています。

 

それでは、ヘム鉄と非ヘム鉄の違いとは一体なんでしょう?

 

簡単に言うとヘム鉄は”動物性”で、非ヘム鉄は”植物性”という違いがあります。
一般的に動物性食品より植物性の方が体に良いと言われていますが、実は鉄分については動物性の方が利点があります。

 

ヘム鉄は肉や魚、卵などに含まれている鉄分で、サプリメントに使われているものはほとんどが豚由来です。
豚の血液から、遠心分離と酵素分解によって製造されたものを使用しています。

 

ヘム鉄は鉄ポルフィリン複合体に覆われた状態で体内に吸収されるため、非ヘム鉄に比べて胃壁や腸管にダメージを与えずに体内に吸収されます。
吸収阻害の影響を受ける心配もないため、非常に吸収率に優れています。
非ヘム鉄の吸収率が1〜6%に対して、ヘム鉄は10〜25%と高い数値になっています。

 

副作用もほとんど心配いらない成分ですので、サプリメントでヘム鉄を補給しても体の害にはなりません。適量であれば、吸収性も良いので効率よく鉄分を吸収し、その効果を得られます。

 

一方の非ヘム鉄は植物性ですから、野菜や豆類、海藻などに含まれています。
何度も言いますが吸収性が悪く、一度、消化管内の還元物質の力でヘム鉄に変換される流れがあるため、体内への吸収に手間取ってしまいます。

 

そもそも日本食に含まれる鉄分は非ヘム鉄であるため、とくに日本人は鉄分不足が多いとされています。
また、サプリメントで摂るにしても、非ヘム鉄の場合はヘム鉄に比べると体に負担をかけやすく、吐き気などを引き起こす可能性もあります。

 

ヘム鉄の方は動物性であるためにさまざまな検査や処理が必要で、一昔前まではサプリメントも高価でしたが、今では非ヘム鉄もヘム鉄もほとんど変わらない価格ですので、どちらかといえばヘム鉄配合の商品をおすすめします。

 

ちなみにどちらにしても鉄分と一緒にビタミンCやタンパク質を摂ることで吸収性を良くすることができます。
食品から鉄分を補う場合も、サポート成分配合の食品も一緒に食べるようにしましょう。